誰だったんだろう?
「誰だったんだろう? 」
喫茶店でお茶を飲んでいたら、ちょうど向かいに座った、まだずいぶんと若い女の子が、かばんから手帳を出した。それが昔勤めていた会社の手帳だったので、思わず、声をかけた。
「もしかして、○○(会社名)の営業やってるの?」
「そうですけど」
「いやあ、わたしもね、昔、その会社で営業やっててんよ、わーなつかしいなあ。で、どこの営業所?」
「○○です」
「そうかあ、知らんわ。営業所の名前もすっかり変わってしもたんやなあ。その制服も全然違うし、あ、私らの頃は、、ちょうど森英○から芦田○に変わったばっかりやったわ」
しみじみと思い出していた。
私は、誰か知っている人がまだいるかどうか、おもいつく限りの名前を挙げてたずねてみた。
その子は、みんな知らないと言った。
誰かひとりくらい偶然知った人がいればよかったのに。と残念だった。
それから場面が変わり
私は、その会社の誰かに電話をしていた。それが誰に電話をしていたのかわからないままに、その誰かを呼び出してもらおうとしていた。
「あー今日から熱出して寝込んでますわ、おたくは?」
なんとなく課長さんっぽい声の男の人だった。その課長さんっぽい声の人は、誰かのことを誰だか知っているようだった。
「わたしは、昔、職場でいっしょだったんです」
って誰のことだかわからないのにそんなふうに言っていた。
「あーそう、でもね、そういう個人的なお電話はお受けできませんから
これからもかけてきてもとりつげませんので」
そしてそそくさと切られてしまったところで目が覚めた
それにしても
私は、いったい誰に電話をしていたのだろう?
さっぱり思い当たらないのだった。